釣ってきた新鮮な魚を、いかに美味しく、長く楽しむか。 以前の記事でご紹介した「マゾイの真空冷凍保存」ですが、今回はその時に仕込んでおいた「あえて味付け無しで冷凍したタイムカプセル」をいよいよ開封します!
使うのは、私が徹底的な温度管理とサイエンスで育て上げた「自家製・塩麹」。 そして愛機であるチャンバー式真空パック機「フードシールド SKR500」
この2つを組み合わせることで、釣ったマゾイやメバルが高級料亭も顔負けの極上の逸品に化けます。まずは、すべての味のベースとなる「最強の塩麹づくり」から全貌を公開します!
🧪 なぜ市販の塩麹ではなく「自作」するのか?
スーパーに行けば、便利なチューブ入りの塩麹がたくさん売られています。しかし、本当に魚の旨味を限界突破させたいなら、僕は絶対に「自作」にこだわります。その理由は2つ。
- 「生きた酵素」を100%取り入れるため
市販の塩麹の多くは、流通時に発酵が進んで容器が膨らむのを防ぐため「加熱殺菌」や「酒精(アルコール)」が添加されており、お肉や魚を柔らかくする「酵素」が失活(死滅)していることがほとんどです。自作なら、酵素が元気に生きている最強の状態を使えます。 - 「最強の塩」と「水」を選べるから
塩麹の味の決め手は塩と水です。自作なら、ミネラルたっぷりの極上の自然塩と、発酵に最適な水を使うことができます。
🌾 究極の無添加「自家製・塩麹」の錬成プロセス


▲ 今回使用する材料。

▲ 伊勢惣の「みやこ麹」(低温乾燥)と、伊豆大島産の伝統海塩「海の精」。
- 乾燥米麹(みやこ麹):200g
- 自然塩(海の精):60g
- 浄水:300cc(※後で追加分あり)
「海の精」の豊富なミネラルが、塩麹の旨味を底上げします。
1. 麹の揉みほぐし

▲ 袋に入ったままもみほぐすのが、散らからず一番簡単なスマートな方法です。
2. 【重要】「浄水」と「60℃」の温度サイエンス

▲ 計量と温度管理。発酵サイエンスにおいて勘は禁物。計量は絶対です。

▲ 沸かしたお湯に浄水を足し、正確に「60℃」に調整します。
🔬 食のサイエンス・ポイント!
- なぜ「アルカリイオン水」ではなく「浄水」なのか?
酵素や乳酸菌は「弱酸性〜中性」を好みます。アルカリ水を使うと菌の働きにブレーキがかかり、雑菌が繁殖しやすくなります。塩素を抜いた中性の「浄水」がベストです。 - なぜ「60℃」なのか?
麹の甘みを引き出す酵素(アミラーゼ)が最も活発に働くのが60℃です。熱湯だと酵素が死んでしまうので、必ず温度計を使いましょう。
3. 混ぜ合わせと保存容器

▲ 60℃の塩水とほぐした麹をしっかり混ぜ合わせます。

▲ 容器はダイソーのガラス容器を使用。中が見えて発酵の進み具合が分かりやすく、熱湯消毒もできる最強のギアです。 フタは完全に密閉せず、少しだけ開けて(呼吸できるようにして)室温で保管します。1日1回、清潔なスプーンでかき混ぜます。
💧 熟成のプロセスと「水分の追加(リカバリー)」
【2日目】水分の追加(めやす)

▲ 2日目の状態。乾燥麹が水分をぐんぐん吸い込んで、表面がパサパサになっています。
ここで【浄水を100cc追加】します。 乾燥麹は初期に大量の水を吸います。水から顔を出して乾燥した部分はカビの原因になるため、「麹がギリギリ水に浸かる(ひたひたの)状態」をキープするのが成功の秘訣です。
【4日目〜7日目】発酵の進み具合

▲ 4日目。角が取れて、少しトロッとしてきました。バナナのような甘い発酵臭がしてきます。

▲ 7日目。かなりトロトロのおかゆ状になりました!
約12日後。お米のデンプンが完全に分解され、指で簡単につぶれるほどトロトロになり、バナナや栗のような甘くフルーティーな香りが漂ってきたら完成のサイン。夏場なら1週間、冬場なら10日〜2週間ほどで完成。ここからは冷蔵庫に入れて、最高の発酵状態で時を止めます。
さあ、最強の調味料が完成しました。いよいよマゾイの出番です!
🐟 第2章:タイムカプセル開封!氷水解凍と黄金比の掟

冷凍庫で眠っていたマゾイの純白パックと、完成したばかりの自家製塩麹。
(※メバルなどの根魚でも全く同じ手順で最高の仕上がりになります!)

まずは解凍です。ここで絶対にやってはいけないのが「常温解凍」や「お湯での解凍」。 写真のように「たっぷりの氷水(0℃近い温度)」にドボンと沈めて解凍します。この「氷水解凍のサイエンス」により、魚の旨味であるドリップの流出を極限まで抑えることができます。

解凍できたら、袋から取り出し、キッチンペーパーで表面の水分(ドリップ)をこれでもか!というほど徹底的に拭き取ります。 ここが最重要ポイント。水分が残っていると塩麹が薄まり、生臭さの原因になってしまいます。

水気を拭き取ったら計量です。 塩麹漬けの「黄金比」は、【魚の重量に対して10%】の塩麹。 今回はマゾイが190gだったので、約19gの塩麹を投入し、身が崩れないように優しく揉み込みます。
(※ちなみに、一度冷凍して魚の「細胞壁」が壊れているため、塩麹の酵素が爆速で中心まで浸透します!)
🚀 第3章:チャンバー式の真骨頂!「減圧沸騰」での最強パック
塩麹を揉み込んだら、再び真空パックにして冷蔵庫で寝かせます。 しかし、塩麹は水分が多いペースト状。普通のノズル式真空パック機だと、液体を吸い込んで機械が壊れてしまいます。
そこで活躍するのが、私の愛機「フードシールド SKR500(チャンバー式)」です!

見てください、この現象! チャンバー式は庫内全体の気圧を宇宙空間のように下げるため、気圧の低下により液体の沸点が下がり、常温の塩麹がボコボコと「減圧沸騰」を始めます。 この沸騰して袋から溢れる「寸前」を見極めてシール(圧着)することで、袋の中の空気をほぼ100%抜き去ることができます。

空気が完全に抜け、塩麹が魚の身にピタッと密着した「未来への投資・熟成待ちパック」の完成です。これを冷蔵庫に入れ、半日〜1日寝かせます。
🍽️ 第4章:いざ実食!「香ばし焼き」vs「極ふわ湯煎」
熟成が完了したマゾイを、今回は【焼き】と【湯煎(ボイル)】の2つの調理法で食べ比べてみました。
エントリーNo.1:王道の「塩麹焼き」

焼く前に、表面の塩麹を軽く拭き取ります(※塩麹は糖分が多く、そのまま焼くと一瞬で焦げるため注意!)。

弱火〜中火でじっくり焼き上げました。 酵素の力で身がホロホロになり、塩麹のフルーティーな香ばしさがたまりません!マゾイ特有の旨味はもちろん、メバルでやっても悶絶級の美味しさになります。
エントリーNo.2:究極の食感「真空・湯煎(ボイル)」
そして、もう一つの最強ハックがこちら。

残りの3切れは、なんと「真空パックのまま、お湯にドボンと入れて湯煎」します! 沸騰したお湯の火を止め、少しだけ温度を下げたところ(80℃前後)に袋ごと入れ、フタをして約15分放置するだけ。焦げる心配は一切ゼロです。

これが……衝撃的な美味しさでした!! 焼いた時のような香ばしさはありませんが、魚の水分も塩麹の旨味も「1滴たりとも袋の外に逃げない」ため、信じられないほどふっくら、しっとり、ジューシーな仕上がりに!まるで高級旅館の蒸し料理です。
💡 塩麹の万能な活用法(おまけ)
手作り塩麹は、お魚以外にもあらゆる食材をレベルアップさせます。
- お肉(鶏むね肉・豚ロース): 1割の塩麹を揉み込んで一晩置くだけで、高級地鶏のように柔らかくジューシーに。
- 野菜の浅漬け: きゅうりやカブに揉み込んで数時間置くだけで絶品浅漬けに。
- ゆで卵(塩麹煮玉子): ゆで卵を塩麹に漬けておくと、黄身がねっとりとした極上のおつまみに!
🎣 まとめ:食のサイエンスで釣果はここまで美味くなる
「氷水解凍」「塩分濃度10%」「減圧沸騰による完全真空」「酵素による爆速熟成」「旨味を逃さない湯煎調理」。 釣った魚をただ食べるだけでなく、サイエンスの力と機材を駆使することで、素材のポテンシャルは限界突破します。
皆さんもぜひ、極上の「自家製塩麹」と「真空パック」の世界に足を踏み入れてみてください!
▼今回使用した究極の無添加セットはこちらから揃えられます
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